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2017/10/05
2017/10/05

どう使うべき?次々に登場するヘッダービディングソリューション

 

初めまして、D2Cの上野淳次と申します。
業務範囲は多岐に渡りますが、主にドコモのインベントリ収益最大化の企画開発を担当しております。今回よりD2Cスマイルデビューとなりますが、頑張りますので今後ともよろしくお願いします!

 

さてD2Cスマイルの下記記事でも取り上げられておりますが、最近の日本のネットメディア界隈では「ヘッダービディング」の話題が大変ホットです。

 

 最近注目のヘッダービディングって何?|D2Cスマイル
 http://www.d2c-smile.com/201707119209

 

この「ヘッダービディング」によって何が変わるかというと、広告枠のセルサイド、つまり広告掲載メディア側の収益改善が見込めると言われています。

 

DSPやDMPなど「より効率よく広告枠を買い付けられるように」進化してきたバイサイドのアドテクノロジーの台頭は、セルサイドの広告掲載メディアにとっては機会損失が発生するリスクも少なくありませんでした。ですが、このヘッダービディングによって広告掲載メディアが不利益を被るような買い付けを避け、広告在庫の適正な価値を測ることによって需要と供給の適正なマッチングが実現できると期待されているのです。

 

ヘッダービディングは2015年あたりからアメリカを中心に流行り始めました。従来のウォーターフォール方式に比べて平均130%以上の収益改善が見込めるとも言われ瞬く間に注目度が上昇。また、オープンプログラムのPrebid.jsにより容易に導入できることもあり、提供事業者もプロダクト形式も多岐に広がってきています。

 

そのため、現在ではパブリッシャー側でどのように各プロダクトを判断し、導入していってよいのかが大変わかりづらい状況になっています。

 

前回記事では、いわゆる「ヘッダービディングとは?」という概要と出現背景がまとめられておりましたので、今回の記事ではもう少し踏み込んで、現時点で世に出ている主なヘッダービディングソリューションそれぞれの強み・弱みについての紹介と、わかりづらい関連キーワードをわかりやすく整理してみたいと考えています。

 

 

導入の際に検討すべき、ヘッダービディングの2方式

前回記事でも触れたとおり、ヘッダービディングという手法は、従来のウォーターフォール方式の機会損失リスクを補うため、1つずつ最低入札単価を区切って順番に広告リクエストを送るのではなく一斉に全ての広告入札を受け入れられるようにしようと、SSP等の広告配信事業者が主体となって生まれた手法です。

 

導入したパブリッシャーの顕著な収益向上が注目されたことでヘッダービディングは急速に広まっていき、平行してヘッダービディングソリューションの提供事業者も増えたことにより、事業者ごとに異なる形式もいくつか発生してきました。下記では現状のヘッダービディングの主な形式をご紹介します。

 

まずヘッダービディングには大きく、以下の2つの方式があります。

 

1、コンテナ方式 (WebページのHTMLに導入するJSタグ方式)
WebサイトのHTML内にヘッダービディング用Prebid.jsタグを設置し、予め設定されている各SSPやアドエクスチェンジに一斉に広告リクエストを送り、オークションを実施する方法。

 

 

長所:
・JSタグのためパブリッシャーにとって導入が容易

 

短所:
・S2S方式と比べてオークション処理スピードが遅く、レイテンシーが高い
 (コンテナ方式は0.8~2秒。S2S方式は0.15~0.2秒)
・ページ側でスクリプトの読み込み処理をするため、AdCallの欠損が生じやすく、数%程度の収益機会損失が必ず発生してしまう

 

 

2、S2S方式 (APIによりWebページのサーバーに導入するサーバー間での連携方式)
複数デマンドの入札受け入れとオークションをサーバー間連携で処理する方法

 

 

長所:
・コンテナ方式に比べオークション処理スピードが非常に早く、レイテンシーが低い 
 (コンテナ方式は0.8~2秒。S2S方式は0.15~0.2秒)
・サーバー側でのAPI連携のためAdCallの欠損が生じにくく、インベントリの収益機会を最大化させやすい

 

短所:
API連携でサーバーに手を加える対応となり、開発が必要となるためパブリッシャーにとって導入に手間と時間がかかってしまう

 

 

Wrapperソリューションとは

ヘッダービディングには、上記で説明したような1つの広告配信事業者が自社単体の独自ソリューションとして提供しているものと、「Wrapperソリューション」という複数の配信事業者のコードをワンタグでまとめて設定できるソリューションがあります。

 

「Wrapperソリューション」とは
複数のヘッダービディングのプラットフォームをひとつのタグで束ねることができるソリューションです。これにより、収益を増大させつつページのレイテンシーを抑え、タグの管理を容易にします。

 

Wrapperソリューションも各広告配信事業者が独自提供しているものですが、オークションのロジックをいずれかの事業者に優位に働かせるものではなく、ヘッダービディング運用におけるメディア(パブリッシャー)側の管理をより簡単にすることを目的としたソリューションです。

 

Wrapperソリューションを導入することにより、ヘッダービディングのタイムアウト設定やレポーティングフォームをパブリッシャー側で細かく設定することができます。導入する広告配信事業者の数に関係なく、Wrapperソリューションを導入することによってヘッダービディングを大変効率的に管理できるようになります。

 

Wrapperソリューションについても、単体事業者提供のヘッダービディングと同様、以下2つの仕様があります。

 

1、Prebid.js (JavaScrypt)※コンテナ方式
AppNexus社が設立した中立組織「Prebid.org」がヘッダービディングの世界を実現するために提供しているオープンソースのJSプログラム。現時点ではJSタグのみだが、サーバーソリューションの開発も進められている。

 

2、S2S方式 (API連携)
従来のラッパーソリューションはページHTMLに設置するJSタグの仕様が主でしたが、現在はサーバーに導入するS2S仕様のラッパーソリューションも出てきています。
(DAC「FlexOne® HARRIER」等)

 

それぞれの強み弱みは上の方式に記載したものと同様です。
またよく誤解されがちですが、Wrappaerタグで導入をしても全てのタグでオークション処理をするため、特に処理スピードが速くなるわけではありません。ラッピングするタグはよく検討する必要がありますね。

 

 

ヘッダービディングの対抗策となるか?GoogleのEBDA方式について

最後にご紹介するのは、ヘッダービディングの対抗措置としてGoogleが打ち出しているGoogleAdX活用ソリューション「EBDA方式」についてです。

EBDA方式
Googleが提供開始したヘッダービディングソリューション、Exchange Bidding in Dynamic Allocation (EBDA)。
まずDFPに広告リクエストを送り、GoogleAdXの中で他ネットワークのオークションも同時に行う方法。

 

 

長所:
・従来のウォーターフォール方式と同様DFP(DoubleClick for Publishers)の中だけで完結させられるため、パブリッシャーにとってなじみがあり、心理的ハードルが低い

 

短所:
APIでのサーバーサイド連携のため開発が必要となり、パブリッシャーにとって導入に手間と時間がかかってしまう
EBDAではPMP *1の取扱いができない。またGoogle AdExchange以外の各ネットワークはクッキーシンクができないため、高額なのに受けることができない入札が発生する可能性があり、収益の機会損失リスクを伴ってしまう。

 

ここまで現時点でのヘッダービディングソリューションをまとめてきましたが、いずれも一長一短あり、結局どのように使うかはパブリッシャー次第なところが多そうですね。

 

ともあれ、バイサイドと比べて今まで発展が遅れていたセルサイドのアドテクノロジー。まだまだ進化は進んでいきそうですが、何となくではなくそれぞれの長所短所をしっかりと理解しながら、自社にとってベストな使い方を模索して行きましょう!

 


*1 参考記事)
  動画広告で注目を集めるPMP―今更聞けない仕組みと取引の種類まとめ
  http://www.d2c-smile.com/201612068296

 

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