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2016/12/20
2016/12/20

いま熱い越境EC―ダイナミックに変化するアジア市場に取り残されないために Part 2

中国消費者の需要により大きく成長した越境EC。消費が停滞している国内需要を補う大きな収入源として、日本国内の各メーカーや小売り流通も力を入れている市場である。

 

EC市場が成熟している台湾の現状をご紹介した前回に続き、今回は、巨大ECプラットフォームを抱える中国と、その他のASEAN諸国の現状を見ていこうと思う。

 

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データで購買意欲をかきたてるアリババ戦略―EC市場が一番熱い日

中国を始め、日本でも一部の小売店やECが追随し始めた11月11日の光棍節(こうこんせつ)。この日は中国では「独身の日」とされ、中国でECが一番熱い日だ! (日本はこれにならい、昨年から「いい(11)買物の日」と定めたらしい。)

 

中国メディアによると、光棍節におけるアリババ(Alibaba)の取引額は52秒で10億元(約170億円)、6分58秒で100億元(約1,700億円)に達し、最初の2時間で、Alipay(支付宝)を通じて475億人民元を超える売上があったと発表した。

 

今年は、さらにこの日を「全球狂歓節 (グローバルショッピングフェステイバル) 」にグレードアップ。カウントダウン・ギャライベントが企画され、生中継を数百万の人々がオンラインで視聴したのだ。

 

グローバルショッピングフェステイバルの生中継では、アリババ(Alibaba)メディアセンターの巨大なスクリーンが映し出され、Tmall天猫)の製品カテゴリごとの売上ランキングや全世界の取引高、最も売れているブランドがリアルタイムで表示された。

 

11月11日午前0時6分の統計によると、中国向け越境販売トップ10にはアメリカ、日本、韓国、ドイツ、オーストラリアなどがランクイン。当然、日本企業やメーカーの多くが、この市場に参入している。だが商機を生かすには、猫の目のように変わる制度改正に追いつく必要がある。

 

今春税制が改正されたばかりの中国だが、中国当局は来年5月に通関制度改正を予定しており、今のところ検査がどの程度厳格になるか見通しが立っていない。越境ECの場合、通常中国国内の保税区に商品を置く仕組みが多い。現在、保税区であれば簡易・迅速な通関を受けられるが、来年5月以降は一般貿易と同様に検査が強化され、原産地や正規品であることの厳格な証明が求められることになるだろう。

 

 

世界3位の市場規模―モバイルで経済成長が加速するASEAN

2015年末に発足された「ASEAN経済共同体(AEC)」は、アメリカよりも経済成長率が高く、EUを超える人口ボーナス、6億人の経済圏を形成しており、今後のEC市場において無視できない存在になりつつある。EC市場が成熟している中国(人口13.6億人)と、人口面では大きな市場だが政府の規制やシステムが未熟な市場のため現時点での参入が難しいインド(人口12.4億人)に次いで、3番目に大きい市場である。

 

Nielsenの調査によると、東南アジアのネットユーザーは約2.46億人、ネット接続時間が長いという特徴がある。年齢層15~35歳が人口の60%を占めている上に、中間層の台頭によって消費能力が大幅に引上げられ、EC市場の活性化をも促している

 

このような「ヒト・モノ・カネの動きが自由化」するASEAN市場の中で、EC市場の平均年間成長率はおよそ31%。その中でタイ、ベトナム、インドネシア市場の成長がもっとも速く、親日国でもあるため、市場としての魅力が高い。

 

Criteoが調査・発表した「2016年上半期モバイルコマース報告」によると、モバイルサイトの改善や、使いやすいショッピングアプリの増加に伴い、モバイル経由の売上がデスクトップを上回ったとされている。

 

 2016年上半期モバイルコマースレポート|Criteo
 http://www.criteo.com/media/5329/criteo-mobilecommercereport-h12016-jp.pdf

 

この調査結果によると、日本全体のモバイル経由の売上シェアは前年比11ポイント増加して52%だが、同じくCriteoが調査したアジア太平洋地域のモバイルコマースと消費者行動予測では、台湾は60%以上、インドネシアにおいては83%以上であり、アジア全体で見ても平均54%となっている。そのことから、モバイルシフトが加速していることが分かる。

 

 亞太電子商務引爆點來臨:網購行為行動裝置首度超越PC|動腦新聞
 http://www.brain.com.tw/news/articlecontent?ID=43873&sort

 

特に、インフラの基礎建設などの理由からインド、インドネシア、ベトナム、マレーシアなどの国は「モバイルファースト」「モバイルオンリー」の市場になることは必至であり、モバイルデバイスによるオンライン取引を牽引する市場になることだろう。アジア諸国への進出に際しては、日本以上にモバイル対応が重要なのだ。

 

また、モバイルアプリのコンバージョンがモバイルWebサイトの3倍という点にも注目したい。

 

支出金額で見ると、PCの平均100ドルモバイルWebの平均91ドルに対し、アプリは平均126ドルという高いという数字だった。これらからも分かるように、スマートフォンをメインに使用する人々のニーズを満たすために、APPやモバイルウェブを包括したモバイルを中心としたマーケティング戦略を打ち出すことが東南アジア圏での成功へのカギと言えよう。

 

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既存ECよりもSNS?eコマースのプラットフォームとなるか―

ここまで東南アジア圏におけるモバイルeコマースをご紹介してきたが、他にはOS別でも東南アジア圏の特徴が窺い知れる。

 

前述した「2016年上半期モバイルコマースレポート」に掲載されている「日本のOS別スマホ市場シェア調査 2016 Q2」の図を見ると、iOSが43%、Androidが56%と、iPhoneユーザはAndroidユーザよりも少ない。しかし、モバイルでの購入件数シェアではiOSがAndroidを大きく上回っている結果が出ている。

 

しかし、アジアでは少し事情が違う。
Criteoの報告書によると、多くのアジアモバイルコーマスはAndroid上で行われ、取引量はiOSの3倍に上り、2016年上半期で見ると両OS共に10%以上の成長が見受けられるとある。

 

ウォールストリートジャーナルによると、Amazonのようなeコマースのジャイアントがまだ台頭していない東南アジアにおいて、Facebookとその傘下のInstagramはソーシャルメディアとしての役割のみならず eコマースとしての役割をも取り込もうとしている。また、LINEもメッセンジャー以外に、ショッピング機能を積極的に東南アジアで展開している。

 

コンサルティング会社、Bain & Co.によると、東南アジアのeコマースユーザーはおおよそ1.5億人、そのうち約30%のユーザがソーシャルプラットフォームを通じてオンライン取引を行った経験があるとしている。他の調査機構ではあるもののlobalWebIndexの資料によれば、アメリカ2.87億人のネットユーザーのうち、7%のみがソーシャルプラットフォームを通じてものを購入したということを比較すると、ユーザー行動パターンの大きな違いが窺える。

 

ASEAN eコマースのマクロを理解した上で、次回は国別に存在するプラットフォームや取り組みの特色を紹介しようと思う。

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