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HOME > いま熱い越境EC―ダイナミックに変化するアジア市場に取り残されないために Part 1
2016/11/08
2016/11/08

いま熱い越境EC―ダイナミックに変化するアジア市場に取り残されないために Part 1

 越境ECは中国消費者の需要により大きく成長し、各メーカーや小売り流通にとって消費が停滞している国内需要を補う大きな収入源として、インバウンドプロモーションに次いで力を入れている市場である。

 

ただ、これは日本に限ったことではない。

 

年々消費力が成長しているアジア市場中国台湾のECプラットフォームにとっても虎視眈々と狙っている市場だ。すでに布石を始めている中華勢力の進出に出遅れないためにも、中国市場にしか目を向けてこなかった情報収集や施策を転換し、ダイナミックに変化するアジア市場を知る必要がある

 

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ダイナミックに変化するアジア

 台湾フィリピンは今年の5月に総統選が行われ、それを境に多くの条例や法が改正され、また現在進行形で審議されているものも少なくない。中国も今年度に入り、特にIT/デジタル領域においては、突如新しい規制や法が公布、施行されたりと目が離せない状況にある。

 

 また、先月タイの国王がなくなり、国全体が喪に服すことから、経済への影響が心配されている。現段階でどのぐらいのインパクトを与えるかは不透明ではあるが、スローダウンすることには違いない。その隙にベトナムインドネシアマレーシアがどのぐらい成長し、追いつくか市場の変化から目が離せなくなりそうだ。

 

 日本EC大手の楽天は、2016年3月に市場の選別として東南アジア(マレーシア、シンガポール、インドネシア)の現地ショッピングサイトを閉鎖した。しかし同じタイミングで、中国のアリババや台湾のECプラットフォームがこぞってそれらの国に進出し始めた

 

 今回は、アジア各国の主なEC市場について、EC市場が成熟している台湾その他のASEAN諸国の2回に分けて、その現状を見ていこうと思う。

 

 

台湾EC市場の現況

 アジア諸国の中で、台湾のインターネット普及率は韓国、日本に次いで三番目に高く84%である。同時に、スマホの普及率においては日本を抜き74%超であり、近年若年層のみならず、50代以上の層においてその成長が著しい。2015年の秋には、モバイルトラフィック量がPCを超えるほどのモバイル大国である。

 

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 その中で、2015年台湾EC市場規模はグロスで1兆69億元約5兆92億円、為替レート1元≒3.5円で計算)、BtoCは大よそ6,800億元(約2兆3800億円)に上る。成長率が徐々にローダウンしつつあるものの、年間12%以上の成長をキープし続けていることが分かる。それに対し2015年度の日本EC市場、BtoC規模は大よそ13兆7,746億円であり、成長率は7.6%ほどである。

 

 台湾の人口数は、日本人口の18.5%ほどにあたる2350万人ほどであり、ECの市場規模が日本の17.3%に相当する所から比率的に日本同様成熟した市場であることが言えるだろう。

 

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 次に毎月の購買履歴と金額を見てみると、平均ユーザーの購買回数に大きな変化はないが、一回ごとの消費金額が2014年に比べ、2015年は大よそ12%ほど増加している。また、IT大国のお国柄とでもいうべきか、カテゴリー別売上1位はパソコンを含む電化製品であり、日本と若干事情が違う。

 

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 台湾政府シンクタンクである資策會產業情報研究所(MIC)が、2016年度1月に行った調査によると、調査対象者の86%にEC購買経験があり、シチュエーション、時間帯によってPCとモバイルを使分けて商品を購入したことがある人が48.5%いることが分かった。 

 

 さらに細かく見ていくと、4割以上のユーザーがモバイルデバイスを用いて商品検索をし、3割以上がすでにモバイルデバイスを用いてオーダーをしている。台湾におけるネットアクセスへのトラフィックで、モバイルがPCを超えている点から、ECにおけるモバイルシフトはさらに加速すると考えられる。

 

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 今後増えゆくモバイルECユーザーをもう少し分析してみると次のような特徴が見えてくる。

 

①女性、40才以下のEC消費者が、大きくモバイルシフトしている
②モバイルECサイト経由で購買をしている層と、そうでない層を比較するとモバイルユーザーの方が回数や年間消費金額において意欲が高く、一回ごとの消費単価が低いのも特徴であり、欲しいものよりも必需品を買う傾向にあることが分かる。

 

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 スマホ画面の大型化、スマホ対応のECサイト、パケ放題、すきま時間の有効利用、即時性など、モバイル経由のEC購買を刺激するメリットは多い。また、PCを上手く使えない50~60代以上の熟年層のEC利用をモバイルがそのニッチを埋め、消費のすそ野を広げている。

 

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五大台湾ECプラットフォーム

 台湾五大ECプラットフォームをご紹介しよう。

 

1.Yahoo 奇摩 購物中心・超級商城
  
 

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Yahoo! 奇摩が運営しており、購物中心、超級商城とオークションの拍賣がある。「購物中心」がB2C「超級商城」がB2B2C「拍賣」(オークション)がC2Cを展開している。商品内容はファッション・雑貨・電化製品・家具や書籍など様々な商品が販売されおり、プラットフォーム手数料・金流(決済システム)・物流など出店する先によって変わる。

 

2.樂天市場
 
 

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樂天市場は日本楽天の台湾子会社。トップページに「日系商品」カテゴリがあることからも、日本のEC市場でおなじみの楽天ブランドを特徴としている。

 

3.PChome 線上購物・商店街/PChome Online shopping mall

 

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 2000年にB2Cとして立ち上ったPChome線上購物は、ECの老舗でもある。2005年にPChome商店街 、2006年にオークションサイト露天拍賣を次々と立ち上げ、アパレル系よりもパソコン関連電気用品をメインとしたEC販売に強いというイメージではあったが、近年は日用品、消耗品などにも力をいれている。プラットフォーム手数料・金流・物流など出店する先によって変わる。

 

4.friDAY購物/friDAY shopping

 

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 台湾3位のモバイルキャリア、遠傳電信が投資し、2014年に立ち上げた5大ECプラットフォーム内で一番若い存在である。他のプラットフォームのトップメイン画面と比較すると分かるが、ディスカウントやセールを全面的に出さず、コンテンツやユーザーエクスペリエンスを押し出しているECサイトである。

 

5.momo購物網

 

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2004年に立ち上ったmomoと他社の違いは、ECサイト・カタログ通販・TVショッピングチャネルを総合的に持っており、女性顧客をメインにターゲットしているECサイトである。株主に台湾大哥大(台湾No.2のモバイルキャリア)、韓国Lotteグループや東元集団(台湾資本の総合家電メーカー)の資本が入っている。

 

 どのプラットフォームもモバイルショッパーに対応し、Webとアプリの両方を持っており、ユーザーのコンバージョン最大化を図っている。これら大手の他に16~20のECプラットフォームが存在しているほか、自社ECサイトなど多岐にわたってビジネス展開をしているのが、台湾ECの現状だ。

 

 最近では、台湾への越境ECを始め、ゲームの課金、オンライン予約や広告媒体費などに大きな影響を与える関税法の改正案が最近立法院を通過し、来年の春頃には適用される見込みだ。

 

 個人購入の越境EC免税、頻繁利用者は課税へ|アジア経済ニュース
 http://www.nna.jp/articles/show/1523850

 

このようにダイナミックに成長するアジア市場は、一方で激しい変化というリスクも伴う。こういった市場に進出するにあたっては、十分な下調べや市場の時事の変化予測に長けた信頼できるビジネスパートナーを携えていくことをお薦めする。

 

次回は、ASEAN諸国について書こうと思う。インターネットの普及によってボーダレスに情報が行き交い、海外のさまざまな情報を得て性急にステージアップを望むASEAN諸国について、前回記事を踏まえてご紹介したい。

 

 ASEAN市場を理解するためのキーワードは何か
 http://www.d2c-smile.com/201510205508

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