D2Cスマイル

SHARE

スマイルを共有する

Facebook
Twitter
google+
はてなブックマーク
このエントリーをはてなブックマークに追加
デジタルマーケティングの総合オピニオンサイト
HOME > おいしく食べて、飢餓撲滅にも一役!ハートフル・クリスマス (日本ケンタッキー・フライド・チキン)
2014/01/08
2014/01/08

おいしく食べて、飢餓撲滅にも一役!ハートフル・クリスマス (日本ケンタッキー・フライド・チキン)

 

 

※本記事は、「DIGITAL&DIRECT NEWS(第47号)」の内容を転載しております。

 

 

無料のガチャで遊んで、クーポンをゲット!さらに、ハートが生まれ、そのハートが100万集まると、100万円として、ヤム・ブランズ主催の飢餓救済プログラム「World Hunger Relief(世界飢餓救済)」(以下、「WHR」)の支援金として寄付をするというクリスマスらしいキャンペーン。想定以上のスピードでハートが集まり、期間内に100万ハート達成!ブランディングに大きく寄与し、クーポン配布のノウハウを積むこともできた、そんな、三方よしの企画を紹介する。

 

今回お話しを伺ったのは…

interview

 

 

カーネルガチャを回せば回すほど、寄付が多くなる!

 2013年の11月22日から12月20日にかけて、ケンタッキーフライドチキン(以下、KFC)の「ハートフル・クリスマス」キャンペーンが実施された。PCやスマートフォンで、“カーネルガチャ”と名付けられた無料のデジタルガチャを回して、クーポンをもらえるといったキャンペーンだ。クーポンの提供にユニークな仕掛けがたくさん盛り込まれた企画だったが、それだけではなく、「カーネルガチャを回すことで寄付ができる」、「飢餓に苦しむ地域の子どもたちを支援したいという意思表示ができる」というキャンペーンでもあり、大いに話題になった。

 

KFC1

 

KFCのほか、ピザハットなど全世界で数多くのレストランチェーンを展開するヤム・ブランズは、国連W F Pの協力を得て、W o r l d H u n g e rRelie(f 世界飢餓救済)プログラムに取り組んでいる。今回のキャンペーンでは、ユーザーがキャンペーンサイトにアクセスし、カーネルガチャを回すたびに、サイトTOPに表示されたバーレル※にハートがどんどん貯まっていき、100万ハートたまると、1ハート=1円となって100万円の支援金として寄付される仕組みだった。参加者全員が、自分の思いが寄付につながるという体験をすることで、善意の連鎖を生む、そんな仕掛けだ。

 

※バーレルはKFC独自の樽型パッケージ。

 

ハートがたまっていく様子は、サイト上だけでなく、首都圏の10店舗の店頭でも、デジタルサイネージで見ることができ、その場でQRコードを介してキャンペーンに参加することもでる仕組みになっている。

11月28日にはハートの寄付数のランキング表示をスタートし、上位10位のユーザーランキングを発表。キャンペーン終了時に上位3位までの参加者にプレゼントを贈呈した。

12月4日に20万ハートを達成。会員限定のスペシャル特典として、「20万ハート達成ありがとうキャンペーン」を実施。以後、20万ハート増えるごとにKFCオリジナルグッズやスペシャルクーポンを配布するなど同様のイベントを行った。その後、ハートの数は加速して増加し、国連WFPのFBで紹介いただいたこともあり、12月6日には40万、11日には60万、13日には80万ハートを達成した。

 

カーネルガチャを回すには、ハートメダルが必要だが、サイトを訪れると1枚もらえる。会員登録すると3枚。登録したうえで1日1回ログインするごとに3枚。友達を紹介すると使ってしまったハートメダルを復活させることができるなど、さまざまな機能でカーネルガチャを回してハートをためたくなる仕掛けを満載させた。

 

今回、クーポンの利用にあたってはスマートフォンを限定とした。これは、「ページビューを見ると、スマートフォンが圧倒的に多い状況を踏まえスマートフォンを中心に考えました。また、今回は値引き率の高い10円クーポンを本数限定で出していたので、複数回使われることのないよう利用にあたってはスマートフォンに特化し、店頭で使用済みボタンを押して、それも店員が確認するという方法を取りました」と経沢希志子氏は言う。

 

kfc2

 

走りながら改善できるのがデジタルの良さ

 

「クーポンの動きを毎日追いかけて、投入率を変えたり、ユーザーインターフェースも走りながら改善していったりと、日々大変でしたが、キャンペーン期間中にPDCAを回して改善していけるのは、デジタルキャンペーンの大きなメリットの一つだと実感しました」(経沢氏)

 

「確かに、日々改善でした。UIで言えば、たとえばカーネルガチャを回す際に『繰り返し回す』というボタンを追加したら、途端に連続性が高まりました。クーポンの投入率にしても、毎日、どのクーポンがどれだけ使われているかを確認して、変えていきました。紙やチラシのクーポンであれば、一度刷ってしまったら、もう修正は効きませんが、デジタルの場合は日々変えることができるわけです」と干場香名女氏は言う。

 

登録者限定のメールマガジンも、配信すると反応が良く、カーネルガチャの参加率、クーポン利用率が大幅に上がることがわかったので、途中から週に2回、場合によっては3回送るように変更した。

 

クーポンは通常時で25種類、そのうち5種類がスペシャル・クーポン。最もお得なクーポンは、「10円でオリジナルチキン31本が食べられる」というものだった。その他にも10円で240円のオリジナルチキン1本、ポテトLサイズが5個などお得感の高いクーポンを用意した。

 

「最初はカーネルおじさんのガチャが登場し、遊ぶだけで社会貢献につながる、ということがユーザーへの惹きになると思っていたので、クーポンの中身は積極的に公表していなかったのですが、途中からスペシャル・クーポンを紹介し始めました。そうしたら、反応がものすごくよくなりました」(経沢氏)

 

また、お店で使われたクーポンのランキングも公表し、更新していった。

 

「ランキングの効果はてきめんでした。『そんなクーポンがあるなら欲しい』となり、俄然、より熱心にカーネルガチャを回していただく方が増えたように思います。それでますますハートもたくさんたまるようになりました」(経沢氏)

 

最初はベスト3までだったが、これも途中からベスト10に拡張した。

 

kfc3

 

 

キャンペーンで学んだ知見を次に生かす

 

「これは日本だけの特徴なのですが、1974年に日本のKFCがクリスマスキャンペーンを実施して以来“クリスマスにはチキン”が定着し、この時期にはケンタッキーフライドチキンを想起していただく機会が増えます。その傾向をさらに盛り上げて、“クリスマスのチキンはやっぱりケンタッキー”をより定着させて、売上アップを図りたいと考えています。従来はテレビCMやチラシが中心だったのですが、今年はデジタル施策も行ってみようということになったわけです。そこで出てきたアイデアがカーネルガチャ。ゲーミフィケーションの要素を取り入れることで、自分事化してもらう。さらに、3.11後の“ 助け合い”という世の中の気持ちを踏まえて、カーネルガチャを回せばクーポンが当たるだけでなく、ハートがたまっていくという世界観を考えました」(干場氏)

 

ハートは予想を超えて集まっていった。では、もう一つの目的であったクーポンの利用数、そして店舗の売上増への影響はどうだったのだろうか。

 

「送客に関しては、目標を達成できたと感じています。また、ここまで大掛かりなデジタル施策は初めてだったので、今後に生かせる多くのデータを収集できましたし、ノウハウを蓄積できたことは、大きな成果だと実感しています」(干場氏)

 

どのクーポンがよく使われたのかとか、“ついで買い”を誘発するクーポンはどのようなものなのかといった知見を得られたということは、今後の施策に活きてくることだろう。

 

「たとえば金額が低いクーポンは、コンバージョン率は高いのですが、ついで買いが起こらない。高くてもダメで、その場合はその商品の購入で完結してしまいがちです。では、どの程度の金額のものがいいのか。どういうクーポンの回収率が高く、あるいは、ついで買いを誘発しやすいのか。そうした人間心理にかかわる部分がかなりわかってきたので、今後のクーポン施策に反映していきたいと思っています」(干場氏)

 

先述した人気クーポンランキング。この施策も利用率を上げるのに寄与することがわかった。ソーシャルメディアと同じで、企業側が勧めるのではなく、人気のクーポンが当たれば、「皆(=友達)が勧めてくれているクーポン」という心理が働き、「これは使おう」という意識が高まるわけだ。

 

「キャンペーンの費用対効果を測るには、第一に期間内の売上が重要視されますが、ブランドエンゲージメントや顧客生涯価値、またこうしたノウハウの獲得など、ロングタームで測る要素も今後は重視すべきではないかと考えています」と干場氏は言う。

 

 

関連記事 RELATED ARTICLES
このライターが書いた記事